この季節になると、
「犬にスイカや桃をあげてもいいですか?」
などとご質問が増えます。
ぶどうや柿、アボガドなどはあげてはいけないということは
かなりの確率で知っている飼い主さんは多いですが
その他の果物はわからない。。。だから聞いてみようと思って下さるのでとても嬉しいです。
それだけ愛犬の食べるものに対して意識が高くなっているということですから(*^-^*)
犬と人間の消化システムが違うということを意識している飼い主さんは
愛犬を長生きさせることができますね。
さて、夏の果物でよく聞かれるのがスイカとメロンです。
昨年も、スイカとメロンを食べて下痢になったという話を何度も見聞きしています。
それについてのブログも書きましたが下記にも再度書こうと思います。
スイカ、メロン、きゅうり、かぼちゃ、ズッキーニ、冬瓜などの瓜類には
ククルビタシンという毒性を持つ成分が含まれています。
(サイトによってはきゅうり、かぼちゃは食べてもいい野菜と堂々と明記されています・・
なんでだろうとびっくりします)
しかも、犬だけではなく人間にも共通な毒性成分!!
瓢箪やかんぴょうで食中毒になったというニュースも報道されています。
多量に摂取すると、腹痛、嘔吐、下痢、場合によっては
重篤な胃腸不全に至る可能性があるとのこと!
しかも、熟れれば熟れるほどクルルビタシンの含有量が増えるので、
人間が食べごろの完熟メロンや完熟かぼちゃなどは与えない方が良いと思います。
少量なら問題ないと思います。でも小型犬と大型犬ではその少量の分量は違いますので
飼い主さんの判断にかかっているということを意識してくださいね。
そして二番目に多い質問は「桃」
梅、杏、桃(未成熟な果肉と種)にはアミグダリンという成分が含まれていて
アミグダリンそのものには毒性は無いのですが、
経口後にエムルシンという酵素によって加水分解されるとブドウ糖とマンデロニトリルになり、
更に分解されるとベンズアルデヒトとシアン化水素になり、いわゆる青酸で強い毒性があるので、中毒症状になると言われています。
果肉は少量、あるいは完熟なら問題ないのですが、
飼い主がこれらを与えてもらい、美味しい!と学習すると、
食卓の上やキッチンに「種」が残っているのを盗み食いしたら大変ですよね。
種には高濃度のアミグダリンが含まれているのです。
(種をかみ砕かず、そのまま飲み込んだ場合は中毒は心配ないですが、その代わりに腸閉塞ということもあり得ますので、食品の管理と盗み食いしないしつけが大切です)
なんでもそうですが少量という判断も難しい上、一度あげてしまうと歳をとっても欲しがります。
高齢犬(幼犬・アレルギー体質、病中病後の子)には少量でも腹痛や下痢などを引き起こす原因になることもあります。
なので、日ごろから
与えない方がベストだと思います。
「でも、欲しがるんです」
家族が果物を食べていて、愛犬も欲しがったら与えるという図式は
「要求に応える」ということです。
愛犬の要求に応えるということは、要求吠えや要求飛びつきの原因にもなりますし
それを助長したり、他の問題行動につながってしまうこともあります。
しつけのコツ2の「全ての決定権は飼い主さん」の欄を読んで下さいね。
人間の子供にも、欲しがるからといって身体によくないとわかっているものを
欲しがる度に与えないですよね。
本当に愛犬を可愛いと思うなら、欲しがるからといって与えるより、
要求癖を直してあげることを選択できる飼い主さんでいてほしいです。(*^-^*)
タイトル、、、「犬にあげていい果物って?」ですよね(;^_^A
りんご、バナナはどうでしょう?
果肉には毒性はありませんが、注意が必要になります。
りんごやバナナには豊富な栄養が含まれていますが、
ブドウ糖のほかに果糖が多く含まれているので肥満の子や予備軍には注意が必要です。
そして整腸作用があるカリウムも多いのですが、カリウムは塩分が排出されてしまいます。
過剰摂取は避けないといけません。
それとお薬を服用しているワンちゃんには獣医さんに聞いてから与えた方がいいと思います。
整腸作用があるということは食べ過ぎると下痢や腹痛の原因にもなり
夏場に脱水になると命に関わることもあるので、要注意ですね。
りんごの種には中毒性があるので絶対に与えてはいけません。
みかんも果肉には毒性はありませんが、薄皮と種は有害になります。
さくらんぼも茎、種、葉は有害ですので
まるごと与えないように気をつけましょう。
与えすぎると、嘔吐や下痢に繋がります。
少量をご褒美などで与えるのはいいと思いますが、細心の注意をお願いします。
そして野菜をあげるのであれば、レタス、トマト、白菜を少量を生のままで☆
キャベツやジャガイモ、大根を毎食あげている人が多いのですが、
ジャガイモにはソラニン、キャベツやアブラナ科にはS-メチルシステインスルフォキシド、
大根にはシニグリンという毒性が含まれていますので多量に与えることは避けましょう。
特にキャベツは、甲状腺の病気のある子には少量でも与えない方が良いでしょう。
健康な子に与える場合はよく洗って、加熱せずに生のままが良いでしょう。
理由など詳細は こちら
夏に注意することはたくさんあります。
アスファルトによる肉球のやけどや熱中症、
食中毒、マダニやフィラリア(もちろん予防薬を投与していますよね)、
皮膚炎やケガ、食欲減退など。。。
特に熱中症で亡くなるワンちゃんが多いので
夏の間は夜んぽ(夜の散歩)を日課にしてくださいね。
夜んぽには、必ず反射板のついた首輪やリード(今は光る首輪やリードなど販売されています)、
光る目印になるアクセサリーなどを使って
交通事故などにも充分注意してください。
先日、ポケモンGOをしながら夜んぽしている方をみかけました。
横断歩道上で急に止まって車にクラクションを鳴らされて
犬がおびえて固まってました。
大事には至らなかったけれど、お散歩中にはポケモンはやめましょう。。。
今年も暑い夏、愛犬たちが健康で元気に
過ごせますように☆
そしてワンコたちが
大好きな家族と楽しい思い出を
たくさんたくさん作れますように(#^^#)
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