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老犬ホーム、デイサービス

愛犬が歳をとるということ

犬の寿命と健康について、以前コラムとして書いてきましたが

人間と同じように犬も高齢化社会に突入しています。

 

ペットブームだった10年~15年前に

家族となった犬たちが老犬になっているのです。

 

動物の医療も日々進歩していて

18歳、20歳という長寿犬も珍しくなくなってきています。

 

ただ、健康で長寿ではなく、病気を抱えての長生きは

医療費や介護などといった飼い主側の負担も見え隠れしています。

昨年夏に保健所から保護した「とらちゃん」

保護犬なので年齢不詳ですが

獣医さんの診察では

10歳~13歳くらいであろうということです。

 

保護した時(8月)の健康診断でたくさんの病気が見つかりました。

 

腹腔内腫瘍(こぶし大のものが3つ)、心臓肥大、すい臓肥大、前立腺肥大など

たくさんの病気がありました。

その上、10月には前庭障害になってしまい、ステロイド治療をしなくてはいけない状態になり、

そして3ヵ月後の11月には末期がん宣告を受けてしまいました。

 


それでも新しい年を迎え、桜の季節になっても

病気を感じない食欲と元気さで、毎日朝夕のお散歩もしていました。

 

 

大好きな日向ぼっこをしたり、

とらちゃんを応援して下さるお仲間と

「お散歩会」も開催して

とらちゃんとの楽しい思い出作りをしてきました。

(写真のとらちゃんは毛玉だらけ、皮膚病のため丸刈りです)

長時間歩けないのでカートに乗せて

ロッキーと一緒にたくさんお散歩しましたし、

家の中でも自由に楽しく過ごしてきました。

4月末になる頃に、ある日突然

血便、吐血が始まり、食事もとれなくなってきました。

 

足腰も急に弱くなり

いわゆる寝たきり状態になってしまったのです。


ひどいときは15分おきのおしもの世話が必要です。

食事も水分も介助が必要になって来て

私も体調を崩してしまうほど大変でした。(実は入院しました)

 

とらちゃんが食べる、飲むことができたり、自分でおしっこに行けたり

そんな奇跡も起きて一喜一憂する毎日・・・

次第に、認知症行動が現れてきました。

部屋の隅、ゲージの隅、隙間などの入り込み動けなくなるのです。

 

仕事をキャンセルしたり、家事も家族に甘えたり、でも、そんな無理は続きません。

私ととらちゃん共倒れになってしまいそうで

 

そこで悩んだ末に「老犬ホーム」を探すことにしました。

ほんの数時間だけでも、数日だけでも

預かってもらえたら

仕事も続けられるし、家事もできる。

 

ただ、とらちゃんの心身の負担が心配でしたが

一生懸命探しました。

そこでみつけた「老犬ホーム相談窓口」

電話で問い合わせると、とても親身に相談に乗ってくださいました。

そして近隣の老犬ホームを紹介、または情報の提供をして下さいました。

とらちゃんは病気のために

狂犬病予防接種はもちろん、混合予防接種もできません。

普通の施設では預かってもらえないところが多かった中、

モリヤ動物病院は、病気の子でも、色々な介助が必要な子でも、予防接種などができない子も

1日1時間でも預かって下さるデイサービスがあったのです。

早速、モリヤ動物病院に電話し、

とらちゃんの状態、介護必要度などをお話ししましたら

快く引き受けて下さいました。

翌日デイサービスを短時間から試してみました。

 

もしそれでとらちゃんが震えたりストレスになったりしたら、諦めようと思っていましたが、

3時間のうちなんと一回血便はしたものの

あとはずっとスヤスヤと寝ていてくれたそうで

それからお仕事の時間は、とらちゃんを預けることにしました。

 

モリヤ動物病院の老犬ホームは、獣医さんが常駐していて

デイサービス中の診察や投薬なども希望すればしていただけますし

可能であればトリミングもしてくれたり、なんでも飼い主さんの希望を聞いて下さいます。

食事の介助、トイレ、散歩なども可能です。

 

なんて素晴らしいサービスでしょう。

料金も良心的でした。

 

その他にも色々な施設があります。

お住いの市名と老犬ホームと入力して検索すると

多分たくさんの施設が出てきます。

老犬ホームは施設によっては自立できる子のみという条件はありますが

健康なうちから何かあった時のために

信頼できる老犬ホームを見つけておくことも大切だと実感しました。

 

デイサービス、ショートステイ、ロングステイなど色々と利用しながら

飼い主も無理なく、愛犬も安心して過ごせれば理想ですね。

とらちゃんが幸せに天寿をまっとうできるよう

私もできる限りのことをしていきたいと思っています。

昨日もとらちゃんが大好きな日向ぼっこをさせながら、介護休憩をしていました。

前の飼い主さんに遺棄されたとらちゃん。

多分そうとうな虐待をされていたとらちゃん。

人間を手を怖がり、震えていたとらちゃん。

 

どんな理由があったかわからないし、わかりたくもないけれど

自分を捨てた飼い主さんが迎えに来てくれると信じているとらちゃん。

それがわかるから切ない・・・

 

 

 

私にできることは少ないけれど

お留守番させて心配しているより、こういうサービスを使いながら安心してお仕事をして

迎えに行って帰ってきたら、たくさん撫でてあげようと思っています。

 

とらちゃん自身も、デイサービスでトイレやお水などの介助をしてもらえたら

安心だものね。

 

とらちゃんを迎えてから、老犬の食事や世話のことをたくさん勉強したり

今回のように必要に迫られて

老犬ホームやデイサービスのことなどを知ることができました。

 

生徒さんやそのほかの方々にも情報を共有しながら

愛犬との幸せな共生を目指して行けるトレーナーでありたいと思います。

 

とらちゃん、ありがとうね。

 

天寿をまっとうするまで

しっかりと愛を分かち合っていこうね。

 

写真 元気なころのとらちゃん