しつけのコツ2
犬は群れで生活する動物です。その群れにはルールが必要です。ルールを教えてくれる飼い主さんを尊敬し従順さを持てます。
そのルールを守らせる、守るというコミュニケーションが、愛犬と飼い主さんの信頼関係を深く太く築いていきます。最初は時間がかかり努力が必要ですが、慣れてくれば当たり前のルールになり、問題行動は減少していきます。
しつけのコツでは、先に『正しいお散歩』という基本中の基本をお話しました。
次に大切なのはなんでしょう?
それは『ルール』です。
人間社会でも、ルール、マナー、法律、暗黙の了解、常識などを知り守るということは
生きていく上で大切なことですね。
家庭犬にもその家で暮らす上での『ルール』が必要なのです。
群れで生活する犬社会にも「ルール」があり
犬の行動学、心理学から
ルールを理解し守ることで、犬の心の安定と安心に繋がり、
そして飼い主さん家族を信頼できるようになります。
(犬の脳の仕組み、本能は人間のそれとはまったく違うのです)
信頼関係を構築していく上では必須なのです。
ルールを教えてくれる飼い主さんを犬は信頼し、そして家庭内で安心していられるのです。
ルールの中には、規律、境界、制限という枠組みがありますが
難しく考えるのではなく、ご家族全員が一貫性を持って愛犬に優しく教えていきます。
ルールを守れる犬は、たとえ飼い主さんが留守でも
勝手に家の中をあさったり、盗み食いをしたり、家具を噛んだり、
いたずら放題になったり、家のあちこちがトイレになったりしません。
特に、噛む・唸るなどのワンちゃんには必須なしつけです。
もちろん、しつけ完了後もルールは継続します。
ただ飼い主さんが許可した時(決して犬の意思ではなく)は
ルールに縛られることがない時間もあるのです☆
さて、ルールとは?
とても簡単で、優しいルールです。
ルール
ソファー・人間のベッドの上に上がらせない
(制限)
理由)上り下りの際にかかる関節の負担・脱臼や骨折の原因にもなります。犬の骨折の理由で一番多いのがソファーやベッドなどの昇り降りです。若い頃からしつけしてシニア期の健康を守りましょう。
入ってはいけない部屋を作る
(ゲートや扉が無くても勝手に入ってこないようにしていくことが大切)
例
・キッチン
・寝室
・和室
(境界)
理由)誤飲・怪我を防ぐ。特にキッチンは危険がいっぱいです。
・全ての決定権は飼い主さん
お散歩のコース、速さ、行く時間、遊び、ご飯の時間、
おやつ、トレーニングの時間、撫でる、抱っこする
ハウスに入る・出るなどは
全て飼い主が決定権を持つ。
(規律)
理由)お散歩中の事故、誤飲を防いだり、指示をウキウキ待てる従順さを引き出せます。
1.ソファーやベッドに上がらせない
勝手に乗らせないだけで、
飼い主の許可があれば、もちろん上がれます。
(ただしソファーに乗りたいという要求に応えてはいけません)
でも、しつけ開始から少なくとも1ヶ月以上は許可は出さないようにしましょう。
なぜソファーの上に上がらせないのでしょう。
小型犬の骨折や脱臼の原因第一位がソファーの昇り降りです。そして
犬の行動学から、犬は高いところに登ると支配的になります。
犬がソファーの上にいるときに、ソファーに座ろうとしたら唸られた、噛まれた、
吠えられたなど経験のある方は、おわかりかと思います。
そういう態度にならないワンちゃんも、勝手にソファーに上がらせないことです。
小型犬は特に上る時は後ろ足や股関節、背骨、降りるときは前足、肩関節、背骨に大きな負担がかかります。犬種によって骨や関節、腰などが弱い子もいます。
愛犬の健康も考えて、しっかりしつけしておきましょう。
勝手に乗ってきた場合は、言葉は発さず(言うのであれば低い声で1回だけNO)
首輪を掴んでそっと降りるように促します。
降りる体制になったら首輪から手を外して、自ら降りるという結果を作ってください。
また乗ってこようとしても、同じように下ろしましょう。
何回かやっていると、飼い主さんの意思が伝わります。
許可するときは、犬用の階段(ステップ)を用意してあげて下さい。
本当に愛犬を可愛いと思っているのであれば、実行するのが愛ですね。
2.入ってはいけない部屋を作る
たとえばキッチンに入らないようにルールを決めるのはキッチンには危険がいっぱいだからです。
包丁、ハサミなどの刃物、犬が食べたら食中毒を起こす食材(玉葱・ニンニクなど)がありますね。
そして要求に応えないという訓練中でも、何かおこぼれがないかと期待して待っているワンちゃんの可愛い瞳に飼い主さんが負けそうになるからです(〃ω〃)←私も負けそうになります。
目標は、たとえ扉やゲートがなくても、指示がなかったら入らないようになることです。
今まで自由に出入りしていたり、ゲートなどで物理的に入れなかったワンコには、ちょっと時間がかかるかもしれませんが
見えないラインがあるということをワンちゃんに伝えていきます。
ここから先に入ってはいけない場所に立ち、ワンちゃんが入ってこようとしたら前に一歩進んでワンちゃんを下がらせると伝わりやすいです。
いつもその場に立ってはいられないので、練習中はゲートや椅子などを上手に使って、徹底しましょう。
飼い主の許可があれば、もちろん入れます。
でも、しつけ開始から少なくとも1ヶ月以上は許可は出さないようにしましょう。
このしつけは、犬の異常な縄張り意識を改善することができるので、
無駄吠えや家族を咬むなどの問題行動が激減します。
3.全ての決定権は飼い主さん
お散歩のコース、速さ、行く時間、遊び、ご飯の時間、おやつ、
トレーニングの時間、ハウスに入る・出るなどは全て飼い主が決定権を持つ。
とういうことは?
犬に決定権が無いということです。
「早く散歩に行こうよう~~」とか
「お腹すいたよ~~ご飯~~」とか
「おやつを頂戴~」「ね~~遊ぼう~」とか
「撫でて~~抱っこして~~」など
色々要求してくる可愛い可愛いわんこの行動に思わずそうしてあげたくなりますね。
でも、要求は完全に無視します。
おやつ頂戴!の催促が上手なワンちゃんがたくさんいますが負けないでくださいね。
しつこく飛びついてきたり、うるさくワンワン鳴いても一切反応しません。
犬の方も見ず、まるでいないように微動だにしないか、その部屋から立ち去ります。
飛びつき癖はヘルニアや怪我の原因にもなるので、
ワンちゃんのために飛びつきは絶対やめさせましょう。
背中を向けてもいいですが、動くとついて回って興奮度が高くなるワンちゃんの場合は
動かない方が効果があります。
諦めて、自分の居場所に戻ったりフセて寝はじめたりして
要求してこなくなったら、飼い主さんの方からワンちゃんを呼んで、
まずはオスワリやフセをさせてからそれらのご褒美として
お散歩、遊び、ご飯、おやつ、撫でるなどをしてあげましょう。
その時には充分に愛情を注いでくださいね♪
ハウスに入る、出るも飼い主さんの指示でできるように練習しましょう。
ハウスに入れたら、中でリラックスするまで扉は開けません。
「出して~出して~」とジャンプをしているうちは出しません。
見えないように通気性のあるシーツなどで覆ってください。
中で静かにリラックスしたら、そっと扉を開けて出してあげましょう。
出る前にはオスワリさせましょうね。
目標は、一度指示でハウスに入ったら、たとえ扉が開いていても「アウト」などの指示が無い限り中でリラックスができることです。
おもちゃもくわえて持ってきて「遊んで~」と要求してくることもある方は、
おもちゃは全て飼い主さんが管理してくださいね。
おもちゃを出しっぱなしにしたり、ワンちゃんのそばにおもちゃ箱のように置いてあげていると
愛犬の「所有欲」を知らずに育ててしまいます。
届かないところにおいて、遊ぶときはこちらから呼んで遊んであげましょう。
遊び始めも終わりも飼い主さんが決めます。
ワンちゃんが飽きたらやめていたという方は、飽きる前にやめてあげましょう。
完全に信頼関係構築が終わっても、このルールは継続します。
しつけのコツって難しそう~~って思っている方は
愛犬の可能性を信じてみることから始めましょう。
そしてご家族全員の一貫性と穏やかで毅然とした態度も重要です。
犬は今を生きる動物ですので、飼い主さんの心、態度次第で大きく変化していきます。
穏やかで従順、精神的に安定した犬になれるのです。
人間がルールにばかり縛られているとストレスになりますが、犬の行動心理学からみると
ルールのある家庭では、犬は心から安心でき、安定します。
そこが人間と犬の脳の仕組みの違いです。決して擬人化することなく、犬を犬として考え
接していきましょう(*^-^*)
中々うまくいかないという方はご相談ください☆
2014.5
しつけのコツ第3弾は こちら
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